カンヌ映画祭で日本人女優が主演女優賞を受賞したとニュースで知ったので原作の「急に具合が悪くなる」を読んだ。女性文化人類学者と癌を患った女性哲学者の往復書簡という物語はいかにもフランス人が好みそうな設定だと思うけれど、映画ではパリ郊外の介護施設でのフランス人女性と日本人女性の交流になっているので、原作とは異なる話も入っているのだろう。今までに癌で他界した知人や現在闘病中の友人などがいて,彼らにどう向き合えばいいのか時々考える。私自身もいつでも起こり得る話だけど、健康診断は何十年も無視しているし、日本よりはるかに医療設備が遅れているラオスにいるわけで、全部自分の意志で生きてきているからつべこべ考えても仕方がない。日本にいるといつも「2人に1人は癌になる時代」というメッセージがメディアで流れてウンザリしてしまう。この本を読み終わった後感じたのは、去年4月に癌で亡くなったSM君は,「自分の人生は間違いはなかった。いつも全身で色々な問題に立ち向かってきた。」という満足感をもって永眠していてほしいという思いだった。



